神様になった日の9話が面白かった

俺の想像を超えた面白さだった。冒頭のハッカー少年が謎のおっさんに語った説明台詞で1~8話までの出来事が総括される。つまりその程度しか話が進んで無かったという事だ。ハッカー少年は3話で初登場しCEOから「なんとか教授について調べろ」と依頼を受たものの、今まで出番があったりなかったりで重要なのか重要でない人物なのか測りかねるキャラクターだったのだが、9話になってまるで主人公のように扱いを受けたのだった。主人公側と一回も会話をしていない外側のキャラの過去にいきなり尺を割かれる。一体何なんだこのアニメは・・・

 

ハッカー少年は幼い頃に両親から暴力を受けつつパソコンを弄って「何か」をしていたようだ。その「何か」は分からない。何だろう。そんな中で突然にも家が血だらけになって両親が死んだらしい。両親の死体は出てこない。何があったんだ。場面転換が飛び飛びで意味が分からない。両親が死んだハッカー少年をCEOが引き取ったらしいが、それからどうなったんだ?全く分からない。

 

ハッカー少年が両親から殴られて育って性格が歪んでしまったせいか、神様について調べ終えた事をCEOに話すと「もうお前の役目は終わった」的な事を言われたのでもっとこの件について何かしたいと思ったハッカー少年は「大人ってやつはー」とガンダムの主人公みたいな事を言い出しCEOの前で机をひっくり返し暴れ出す。何で。全く意味が分からないよ・・・ハッカー少年は情操が不安定で暴れ出すのでCEOの部下からボコボコにされた挙句、会社の外にポイされてしまった。ハッカー少年って3話で出た時は手錠をかけられたので犯罪者扱いじゃなかったのか。情報を握ってる人物を拘束せずにポイするなんて意図がよく分からない。

 

ハッカー少年のハッキングシーンが9話の見どころで、映画のサマーウォーズの作中内でのゲームようにネットの海を飛び交っていたので、9話でいきなりこんな別作品と化したようなシーンを見せられても困惑するしかない。イルカがなんちゃらだの金魚がなんちゃらだの実は教授のセーフティプログラムが・・・と次々とハッカー少年の独り言で説明されてもついていけません。ハッカー少年は金魚触ったら何もかも「何か」が分かったらしい。何だ?

 

話を主人公と神様に移すと、この2人は詰まる所何がやりたかったんだろう。主人公はイザナミさんと付き合いたい同じ大学に行きたいって自分の口から言ってたし、神様はその主人公の願いを叶えるために謎の能力でサポートするだけだった。5話でイザナミさんの件で一区切りついたのか、6話から主人公がイザナミさんが好きという設定がどうでもよくなって神様一辺倒になったわけだが、神様が何を目的に主人公の家にいるのか謎なので不気味だった。神様は主人公に8月1日から数えて30日後に世界が滅亡すると言うだけで他の自分についての情報は隠している。隠して何の意味があるのか謎だし、8~9話でいきなり神様は教授のすんごいハイテク技術が詰まった「何か」と言われても何なのって印象になるわけで、1~3話で設定を固めて話を進めないといけないのを放棄して8~9話という終盤になってからいきなり次々と設定を出されても意味が分からないし前半と噛み合わない部分が出てくるのだった。

 

神様が何か異質の力を持った人間の形をした「何か」という形で話が始まってる以上、1~3話で何らかの設定は小出ししていくべきだと思うし、主人公の母親が8話で神様について黙ってたのは「主人公が聞かなかったから話さなかった」というしょうもないものであった。神様は30日後に世界が滅びるから余興で主人公をラジコン扱いして楽しんでるだけで他は何も考えてないのか、自分の事は話す必要性がないから話さないのか意図が全く分からないので出番は多いのにキャラクター性が薄い。

 

ハッカー少年に話を戻すと、彼がハッキングしてなんか凄いデータをCEOに送ったのでCEOの上の何か凄い人が神様を危険視して神様を拉致する流れになってしまったが、この人たちについて何も説明がないので「何か」と表現するしかない。CEOの登場が2話ぶりでCEO自体も何を目的に動いてるのか謎である。何もかも謎で説明せず端折って神様が「謎の組織」に拉致される事になり、映画の撮影中に「謎の男たち」が押し寄せてきて主人公と神様が逃げる事になったが、どこに逃げるつもりだったのだろうか。神様は「どこにも逃げられん」と言ってるが警察ですら「謎の組織」の手中という事だろうか?意味が分からない。

 

神様が何で主人公の家に来たかと言えば、祖父の教え子が主人公の母親だったからというだけだし、神様がいう世界の終わりは「30日後の世界が予知できないから世界が終ると思い込んでいたが、自分が終るだけだった」といった形のしょうもないオチであった。主人公と神様が逃げている時に神様が「なんで貴様に守られるか分からん!」と言ってたが一ヵ月近くも同じ家に住んでいた人物に対して言う事だろうか?台詞の意図が分からん!主人公が神様の事を「好き」って言うのも分からん!主人公が言うには周りの人も神様の事を好きらしいので恋愛感情の「好き」ではないようだ。

 

元は言えばハッカー少年が何かをハッキングして情報を得て神様が拉致される事になったが、それを神様の「ハッカー少年は自分でやった事を反省している」といった台詞で片づけられてしまった。ハッカー少年は自責の念に駆られた上に会社からポイされたせいか、10話の予告を見ると夏休みが終わって2学期がはじまりハッカー少年が主人公と仲良くなるという話らしい。何それ・・・

 

「君の名は」と「天気の子」の終盤でヒロインが消滅して主人公が反社会的な行為でヒロインを助けて何かいい話で終わった気になるという展開だったが、神様になった日も拉致された神様を助ける為に主人公とハッカー少年が何か反社会的な行為をするんだろう。神様の何がどう凄いのか、神様は何を目的に行動しているのか描写不足のまま「神様は世界を混乱させる危険なもの」となったわけだが、突拍子もなく深刻な話になって行くのが視聴者置いてけぼりって感じでゾクゾクしますね。