ランボー・ラストブラッドの感想

2019年に米国で本作が放映されていた事は知っていたのですが、日本で放映するのはいつになるのか待ちくたびれていたらついに2020年6月になってからやっと放映されました。4作目のタイトルが「最後の戦場」だったのにこれ以上何をやるのか?と思いましたが、ランボーがメキシコのマフィアと戦う事で今までのシリーズとは違う路線で社会問題を取り上げるというのが特徴的です。

 

前半の45分でランボーの知り合いの孫娘が自分を捨てた父親会いたさにメキシコに行くと言い出し、ランボーが「父親はクズだ。危ないからメキシコに行くな」と言ってるのにわざわざメキシコに行ってマフィアに捕まってしまったので、ランボーがメキシコに行って助けようとするがマフィアにボコボコにされるわ知り合いの孫娘は助けられなかったわでいい所がないと言ってぐらい酷い目に合わされます。ランボーが路上でマフィアに集団リンチされた後で、マフィアが1人残らずぞろぞろとアジトに一旦帰り、ランボーが路上に放置された状態でルポライターに助けられる流れは流石に無理があるように見えました。マフィアのボス(兄)の周りくどさでランボーを逃がした事で、マフィアのボス(弟)が兄を後から問い詰める流れがありますが自分の記憶が曖昧で兄が何がやりたいのかよく分かりません。

 

そして後半の45分でランボーがメキシコに行ってマフィアのボス(弟)を惨殺してマフィアのボス(兄)を刺激し、今度はマフィアのボス(兄)とその仲間たちが車で国境を超えてアメリカのランボーの牧場に復讐に来たのを、牧場の地下にトンネルを掘っていたランボーベトナム兵の戦術で返り討ちにする・・・という話の流れです。マフィアは相手がランボー1人だから数で圧倒できると思ったら、地下トンネルという地の利を生かしたランボーに殺されていく流れは、ベトナム戦争ベトナム兵の方がアメリカ兵より圧倒的に少ないのにアメリカ兵が勝てなかった歴史への皮肉なんでしょうか。ランボーがメキシコで大暴れする内容だと思い込んでいたので、ホームアローン的な作風でマフィアが殺されていくのを見せていくのは意外だったとしか言いようがないです。ランボーは前半でマフィアに捕まって身分証明書を取られたのでマフィア側はランボーの住所を知ってるのか?メキシコのマフィアは武装した状態でどうやって車で国境を超えたのか?と考えると細かい所は省略されています。

 

全体的に捻りがなく事前に説明されていた事をなぞる話で、ランボーと知り合いの婆さんが「孫娘の父親はクズ」「孫娘の友達は悪いからもう関わるな」「メキシコに行くな」と言ってて、本当に孫娘の父親はクズだし孫娘の友達もクズで孫娘を騙してマフィアに売り飛ばしています。前半でランボーは牧場の地下になんでトンネル掘ってるのか武器を置いてるのか自分の記憶が曖昧なのか意味が分かりませんでしたが、後半で地下トンネルを戦場にしているのでそこも前フリでしょうね。無駄がなく余計な事は考えさせないようなテンポ重視なのも感じられ登場人物はストーリー上の役割がなくなったらさっさと死んだりもう出てこなくなりました。

 

若い女性をターゲットにした拉致と人身売買を生業にしているマフィアを悪役として出すことで、これまでのシリーズの「武装集団に殺される民間人」と違った悲惨さを出していますが今作で実際に死んだのは「覚醒剤漬けにされた孫娘とライターの妹」とで回りくどいので悪役の悪さが陰湿で分かりづらく、「武器を使い容赦なくマフィアを殺戮していくランボー」と「武装しているのにその武器で誰一人殺せていないマフィア側」という対比が出てしまってランボーの惨さを強調しています。

 

この映画を見て時代劇の再放送に似てるなぁと思いました。悪者に食い物にされて死んだ被害者と悪者をバッタバッタ切って無双する正義の味方しか印象に残らず、悪者は悪い事は悪いですが強くないしあっさり殺されるので全く印象に残らない・・・と言った所です。