神様になった日12話が面白かった感想と作品の総括

ストーリーを締めくくるのにふさわしい最終回で感動した。よく考えると深夜アニメで心が動かされること・・・つまり感動する事ってそんなに無い。「神様になった日」は感動と泣きをウリするアニメだったのでその狙い通り俺は泣いてしまったわけだ。突っ込み所だらけで笑いすぎて涙が出てくる形での笑い泣きだが。

 

9~11話までの展開で主人公の目的として「謎の施設に入院している神様を自分の家に引き取る事」だった。主人公はハッカー少年のハッキング行為とカードキーの偽造で施設の関係者として謎の施設に潜り込む。女介護士はパソコンでデータを確認し主人公に「あなたは神様を引き取る権利がある。しかし神様が行きたいと思うのか?」と言っていたが、データは偽造されていたので神様の意思がどうであろうが主人公に神様を引き取る権利はない。主人公は違法行為をして謎の施設に潜入するわ、権利がないのに引き取りたいと言うわで無茶苦茶でどうするの?その答えが12話にある。

 

介護士は主人公がやっている事と日報の内容が食い違っている事に気づくわけだが、これは女介護士じゃなくて管理職の役目だと思う。脚本家は登場人物をこれ以上増やしたくないのか女介護士を「施設内で権限を持っている人物」として配置しているのだろう。女介護士が偽の職員である主人公を施設から追い出そうとするわけだが「警察に通報しないだけでも有難いと思いなさい」と信じられない事を言い出した。いや通報するべきだろう・・・施設内のデータを改ざんされた上に偽物が入って来たのだから、管理者の責任問題である。意味が分からないよ・・・主人公は施設内でギャーギャー騒いで抵抗するので警備員が主人公を殴って黙らせた。警備員って不審者を殴ってもいいのか?あくまでも柔道技で押さえつけるんじゃないのか?殴ったらダメなんじゃないのか?不自然な暴力シーンがコントにしか見えない。

 

警備員は車で主人公をどこまで運ぼうとしたのだろうか。家までだろうか。タクシーのようにそこまで親切にする必要性ってあるのか?全部警察に任せた方が手っ取り早いのではないだろうか。女介護士は自分の不始末を隠蔽しようとしてるのか?でも主人公がギャーギャー騒いでいるのは施設内で響いているわけだから他の職員もその場に居合わせているわけで、穏便に済ませる事など出来るわけがないのだった。主人公が警備員に連行されて車に乗せられようとしているのを女介護士が神様を抱きかかえて見るわけだが、おかしくないか?神様を連れてくる必要性って1ミリも感じない。そんな中であうあうあーで歩く事もままならない神様が主人公に向かって歩き出し抱きついた事で女介護士は「主人公に神様を引き取る権利がある」と思い込むというご都合展開というか大岡裁きというか視聴者には理解できない奇跡が起こった。前述した通り主人公に神様を引き取る権利は一切ない。主人公の罪状と神様を引き取る権利の2つの問題は「説明しない」事によって端折られ有耶無耶にされた。次のシーンで神様を家に連れて帰ったからである。女介護士はどこまで権限を持ってるんだよ・・・おかしいだろ・・・どう考えても・・・

 

主人公の親兄弟、友達、ラーメン屋、介護士といった周囲の人物があうあうあーになった神様に平然と対応している描写に寒気がした。知り合いがあうあうあーになってまともに喋れない状態になっていたら絶句すると思うんだが。訳が分からないよ・・・そして登場人物たちは神様があうあうあーになってまともに動けない状態なのに映画撮影を再開する。なんでそこまで映画撮影に拘るのかさっぱり意味が分かりません。虐待だろ・・・

 

劇中の描写だと映画撮影に拘る理由が一切ないのだが、作劇上は「登場人物を全員集合させる手段」と「最終回における見せ場」として設定付けられているのは分かる。主人公はあうあうあーになった神様を家に連れて帰りました。終わり。じゃ映像上面白くないからだ。とはいえ無造作に配置された登場人物と関連性がない設定を映画撮影で強引に纏められるとやはり意味が分からない。学生が中心になって撮影している映画にしてはセットが大掛かりであり、その費用は全て女弁護士のキャッシュカードで支払われているという事実が酷すぎる。主人公は女弁護士を財布扱いにしているゲスだと思うし、女弁護士もそこまでして金を工面する理由があるのか?いやない。

 

主人公の大学受験は「イザナミさんが好きで同じ映像関係の大学に行きたい」という理由で行ったものだった。しかし主人公は大学受験で合格したのに「不純な動機だったので辞退する」「神様の祖父の機械工学を学びたい」と言い出し「神様のお爺さんの機械工学を学びたい」と浪人して他の大学を受験するとの事だが初期の展開を全部ぶち壊しにするような展開でこれもまた無茶苦茶だと思った。主人公は女弁護士を財布扱いするほど映画に本気になっているのに、映像関係の大学に入らないのは理屈が通らないのではなかろうか。映画撮影をやっているのに主人公の進路が全く噛み合ってないのは凄い。じゃあ映画撮影にそんなに尺を使うなよ・・・と言いたい。

 

主人公は女介護士に「神様は僕が連れて帰ります!」とタンカを切って女介護士は「施設にいた方が神様は幸せだと思いますよ」的な答え方をした。主人公は浪人してまで機械工学の大学に行こうと思っているという事は、主人公が自宅で勉強するなり予備校に行っている間は家族が神様の介護をする事になる。結局は神様の面倒を見きれないのに「連れて帰る」と言うなよ・・・と思うし女介護士の言うように施設にいた方が幸せなのであった。

 

そんなこんなで映画が完成して登場人物が集まって全員で映画を観る事でこのアニメがまるでいい話であるかのような錯覚を覚える。いい話であるわけがない。神様はロゴス症候群という訳の分からん病気で親から捨てられ、祖父の非人道的な実験で頭をカチ割られコンピューターを埋め込まれて健常者になった。今度は謎の組織に頭をカチ割られコンピューターを抜き取られあうあうあーにされてしまっているからだ。女介護士は主人公に「あなたが話していたのは神様ではなくてコンピューターではないのですか?」と言っていたが、この映画を観ている登場人物たちは「元気で喋っている頃の神様」をあうあうあーになった神様に重ねているわけで、頭をカチ割られコンピューターを抜き取られた素の彼女を誰も見ていないという事になる。悲しい話だ。何と言っていいのか分からない・・・

 

最後までこのアニメを見ても神様の何がどう危険で頭をカチ割られる羽目になったのか理解できないし、ハッカー少年がハッキング行為でやりたい放題やってる方が謎の組織の言う危険ではないだろうか。そもそも謎の組織って何だ?CEOってなんだ?ハッカー少年は謎の手袋でハッキング行為をしていたがこの手袋の高性能っぷりは一体なんだ?設定を作ってはぶん投げて端折っていく展開に俺は結局は付いていけなかった。麻枝先生の作り出す俺の想像を超えた展開に驚き、笑い、一本取られたと思う。これがアニメを見て心を動かされる感動的な体験だ。東海昼ドラで中島御大が脚本を担当している作品に対して、あまりに想像を超えた展開に脳が付いていけず笑うしかないのと同じである。昼ドラは無くなってしまったがアニメでまさかこういう体験ができるとは思わなかった。昼ドラ実況をやっていたあの懐かしい日々を思い出して泣ける。麻枝先生には面白いアニメの脚本を書ける才能があると思うし、是非とも4作目のアニメを作ってもらいたいところだ。

 

4作目あるなら神様になった日のような「アニメで24時間テレビのようなもの」を見せる実験作ではなく、バンドアニメでCDを売りまくる手法の方が絶対にいいと思う。

 

神様になった日はなぜ面白いのか

神様になった日は2020年の冬アニメの中でよくも悪くもネットで一番盛り上がっている作品だ。なぜ盛り上がっているのかと言えば、ストーリーと設定が破綻しているので毎回のように突っ込み所が生まれているからだ。つまり作品がボケで視聴者がツッコミを入れるという形で掲示板やTwitter大喜利のような面白さに繋がっているのが理由の一つとして上げられる。

 

このアニメはゲームクリエイターの麻枝氏が脚本を担当している事を作品のウリとして上げていて、WEBのメディアや雑誌媒体で彼のインタビュー記事が掲載されておりアニメの監督よりも脚本家が喋りまくる光景というのは異様で記事を読んでいるだけでとても面白い。ガンダムの富野監督ばりに自分の作品を自虐し、スタッフの愚痴を吐いているからだ。本業のアニメ脚本家が同じ事をやったらよほどの大御所でもないと今後の仕事に差し支えるレベルだろう。

 

・原点回帰とは?

「神様になった日」は麻枝氏がこれまで担当した「エンジェルビーツ」と「シャーロット」の要素である「バトル」を排除している。ゲームでボーイミーツガールのシナリオを得意としていた麻枝氏はアニメ作品として映える為に無理してやっていたこの2つの要素をやらない事で、ボーイミーツガールと視聴者が感動して泣くという部分に集中する。これが原点回帰であった。

 

・シナリオの土台が超現象から量子コンピューターへ

前2作の「エンジェルビーツ」と「シャーロット」はお世辞にもシナリオが整っている作品とは言えなかったが「バトル」の要素があるのでそこから超現象やら超能力やらにつなげてシナリオの粗を誤魔化す事が出来た。しかし「神様になった日」にはそれがないので誤魔化す事が出来ない。「神様になった日」は神様が脳に量子コンピューターを埋め込まれているから未来予知ができるという設定なのだが、予知はあくまでも予知でしかなくそこから自分の都合のいいように現実を捻じ曲げるのは困難だ。「予知」という設定的な部分と「なぜそこまで上手く行くのか」というご都合的な部分が噛み合わず、視聴者からすると困惑してしまった。超能力と比べるとコンピューターがなぜそこまで出来るのかと辻褄を合わせるのは大変だ。作中で最終的に「量子コンピューターに何が出来て何ができないのか」という辻褄合わせを放棄する事になる。

 

・主人公のキャラ設定の破綻

「神様になった日」はバトル要素がない日常ものとして作られているので「倒すべき敵」というものがない。代わりに神様が「30日後に世界が終る」と主人公に告げているのと、主人公の目的として「好きな女の子と付き合う」「好きな女の子と同じ大学に行く」「好きな女の子に振り向いてもらうために神様の無茶ぶりを達成する」という土台が1・2・5話を通して作られる。「30日後に世界が滅亡するからヤケクソになって受験勉強を投げ出して遊ぶ話なのか?」と思うのだが別にそうでもない。6話から主人公の目的はぶん投げられて主人公は神様の事だけを意識するようになってしまった。つまり1・2・5話で女の子を説明する為に尺を使った意味がない。視聴者としては「主人公は女の子が好きじゃなかったのか?」といった混乱が起こり、主人公は自分の人生を鑑みずに神様に入れ込んだ結果、大学受験を投げ出しハッキングという違法行為をしてまで神様が入院している病院に職員として潜入してしまう。主人公のこの気持ちの変化についていけるだろうか?俺はついていけない。

 

・無理してやる意味を感じない映画撮影

主人公に妹がいて映画部なので映画撮影の話を2・7・9話でするのだが、主人公は夏休みとはいえ受験勉強中なのに映画撮影はおかしいだろう。2話で主人公の同級生の女の子が「遊んでる暇なんてあるの」と言ってるがまさにその通りだ。しかし7話以降は勉強について言わない。謎だ。ラーメン屋と女弁護士も自分の仕事があるのに映画撮影に参加する時間がなぜあるのか謎である。キャラクターを全員集合させる理屈としての映画撮影だと思うが、映画撮影を話のメインにするなら主人公を受験生ではなく高校2年生にして映画部に所属しているといった設定を付けないと統合性が取れない。無理にねじ込んだ映画撮影の話だったが、キッチリ1から描く意図はなく端を折りすぎてどこまで進んでるのか全く分からず、神様が途中で黒服に拉致されたので映画が完成しないというしょうもなさだった。

 

・背景のモブと化し物語からフェードアウトしていくキャラクターたち

基本的に主人公と神様が話す事でストーリーが展開されるのだが、日常ものらしくサブキャラクターがメインになる回があり、そこで各キャラの設定やら主人公の関係が掘り下げられる。その反面、メインではない回は出番が減り台詞も少ない。つまりいてもいなくてもストーリーに影響しないキャラクター(背景のモブ)と化す。1・2・5話でメイン扱いされた女の子が6話から極端に出番と台詞を削られたのがいい例だろう。「このキャラクターとこのキャラクターが話すとどうなるんだろう?」という形で主人公と神様以外のキャラクターを満遍なく立てようとする意図が薄い。

 

・ゲームの文法とアニメ脚本の違い

ゲームのシナリオライターが脚本を書いているせいか会話のキャッチボールになると「情報を持っていて一方的に説明する側」と「情報を持たず一方的に説明される側」の上下関係がハッキリし過ぎている。ストーリーをさっさと進めるために前者に後者は逆らえない。主人公は神様に一方的に命令され、それを実行していただけで自分の意思というものがないため、神様がいなくなった途端に主人公が能動的になると奇行を繰り返すキャラクターになってしまった。場面転換が突飛なのも特筆するべき部分で「なぜこんな状況になったのか」「なぜこのキャラがここにいるのか」「なぜあのキャラが画面から消えたのか」「さっきの話はどうなったのか」というものを端折って先に進めるのもゲームだと許されるが映像作品的には違和感を感じる部分だと言える。

 

・そして伝説へ・・・

バトル要素がないので敵を倒したら解決する、超現象でなんとかなるという誤魔化しができなくなったせいか、最終的に主人公の目標は「脳に埋め込まれていたコンピューターを外されて知的・身体障害者になった神様を家に連れて帰る事」になってしまった。なぜハッキングという犯罪行為を犯してまで主人公は神様を家に連れ帰ろうとするのか。主人公に女介護士は「神様を連れ帰る権利はある」と言ってたがこれはハッキング行為の賜物であって、本来は権利がない。つまり意味のない押し問答なのだ。脳にコンピューターを埋め込んだら元々障害者だった神様が健常者になった理由が謎だし、脳のコンピューターを取り外された神様が障害者に戻った理由も謎だ。脳を弄る手術を2回もされて大丈夫なのか。どの道長くはない。

 

バトルものでオチがいい加減でも「バトルものだし仕方ない」「超常現象なら仕方ない」と受け入れるしかない部分はあるのだが、流石に障害者と介護職というデリケートなものを題材にして無茶苦茶な話を見せられてしまったらどう受け取っていいのか分からないし、ネット上で盛り上がり伝説のアニメになってしまった。

 

・もし4作目が作られるとするなら

バラエティーに富んだものを作るより「●●もの」として1クール作った方が分かりやすいのではなかろうか。麻枝氏が「神様になった日」のインタビューで「前作の視聴者からバンド要素はCDを売りたいだけなんだろと言われて歌は挿入歌だけにしました。」と言っていたが「エンジェルビーツ」から数年すると音楽系のアニメが主流になり先見の明はあったので、商売的にもストーリー重視のものよりバンド系アニメの方がセールスポイントが理解しやすい。最近で言えばバンドリとショーバイロックがそういう作品なわけで。

 

 

神様になった日の11話が面白かった

前回の引きから考えると今回は全く展開の予想が出来なかった。ただの高校生(受験生)である主人公がハッカー少年の手助けによって謎の施設のデータを書き換え、職員として謎の施設に潜入したしたわけだが、高校生が他の職員にバレないように関係者を演じるというのはいささか無茶苦茶な展開ではなかろうか。施設内の職員である女介護士の1人が「主人公と話す役目」として作劇上の役割が与えられ、その他の職員は背景のモブ扱いである。

 

介護士があうあうあーになった神様の担当者として彼女の面倒を数か月の間見ており、このアニメの作品の登場人物に漏れず彼女に悲しき過去があった。彼女には子供がいたのだが、生まれて間もなく病気により亡くなってしまったのだ・・・

 

自分の産んだ子供を育てる事ができず、精神的に追い詰められて生きる理由を無くしまった。ある日彼女は病院で難病を持った子供をお世話するリハビリ士を見て感動し、自らの子供に与えられなかった愛情を他の子供たちに与えようと決意しこの職業に就いたと回想が挟まれる。しかし、真面目に介護をしている人の裏であうあうあーになった神様を虐待にしか見えない行為に及ぶ主人公がギャグにしか思えなくて「笑っちゃいけない24時」なのかと思って眩暈がした。

 

主人公は介護の仕事もリハビリの仕事も全く分からない。女介護士があうあうあーになった神様にケアをしているのを見ている主人公の心境がナレーションとして挟まれる。そこで主人公は何をするかと言えば神様がテレビゲームが好きだからという理由であうあうあーになった神様にゲームをさせるのだった。1~9話の間で神様がテレビゲームをするシーンをやたら挟んでいて「何でこれに尺を取るんだ?」と意図が分からなかったのだが、これの前フリだったわけだ。なんだそれ・・・

 

主人公がハッカー少年のハッキングによってデータを詐称し、素性がばれたら警察に逮捕されるような緊迫した状況の中で職員の権限を利用してテレビとゲーム機を会社に送るように依頼する。依頼する方も無茶苦茶だが即時にテレビとゲーム機が送られてくるご都合展開も無茶苦茶であった。施設内の責任者に話を通さないといけないんじゃないのか・・・?

 

主人公はあうあうあーになった神様を具体的に何をどうするのかという事を全く考えず、女介護士に「神様を家に連れて帰る」とタンカを切るのだが「なんでそこまで家に連れて帰りたいのか」という理由が謎である。最新の医療設備が整っている施設でプロに介護士に面倒を見てもらった方がどう考えてもあうあうあーになった神様にとって幸せであった。神様の祖父が神様のなんちゃら症候群を抑える為に神様の脳にコンピューターを埋め込んだという設定で、そのコンピューターを取ってしまったのだから遅かれ早かれ死ぬ運命である。しかし、このなんちゃら症候群の設定はどこに行ったんだろう・・・

 

主人公が神様にテレビゲームをさせるわ、夜通し神様の部屋でテレビゲームのレベル上げをするという頭が狂った行為を繰り返した結果で女介護士から怪しまれるのだが当たり前である。そりゃ同僚から怪しまれるし、同僚が上司に報告して責任者に呼ばれるんじゃないのか。女介護士以外の職員が主人公に話しかけるシーンが一切ないので、ノートパソコンで作業としていた女介護士が「主人公のやってる事とレポートの記録が違う」といきなり言い出すのはご都合展開を感じる。ハッカー少年のハッキング能力がいくら高くて誤魔化しても、職場の責任者が現場を仕切ってるわけで部外者が来たら1日でバレるだろそんなの・・・主人公が謎の施設に入って即あうあうあーになった神様を連れ出して逃げる話ならまだわかるが。

 

次回は最終回だがこれからどうするのか全く分からない。なぜ神様の祖父が神様の脳に外科手術でどうやって量子コンピューターを埋め込んだのか、なぜハッカー少年の能力と謎の手袋で無茶苦茶やれているのか、ハッカー少年を管理しているCEOのその上にいる謎の組織とはなんなのか、神様の脳に埋め込まれているコンピューターを取り除いた天才外科医師とはなんなのか、神様はなぜ主人公をラジコン扱いにしていたのか、主人公はあうあうあーになった神様を具体的にどうしたいのか。最終回で全て説明できるのだろうか?いやできないだろう。前作のシャーロットが設定を出すだけ出して大半が投げっぱなしで終わったのだから。

 

受験生である主人公が受験を投げ出してまでなぜ神様に拘るのか。いち視聴者である俺には全く理解ができないのだが、主人公は主体性がないのは終始一貫しており神様にラジコンにされる事である種の生きがいを感じていたかもしれない。大学受験をする理由が「イザナミさんが好きで彼女がそこの大学に行くから自分も受ける」という他人に依存している理由でしょうもなかった。主人公がイザナミさんとは結局は恋仲になれなかったわけで、自分の事を構ってくれる神様に精神的に依存し、神様の情報をハッカー少年から聞いて全てを投げ出す気持ちになるのは理屈は整っている。神様は脳内の量子コンピューターを抜かれてあうあうあーになったが、主人公は神様の存在がいなくなる事で主人公も自分をコントロールする存在がいなくなりあうあうあーになってしまったと考えるのが妥当だろうか。女介護士が主人公に「あなたは彼女そのものではなく、コンピューターに話しかけてコンピューターに反応してもらっていただけでは」と言っていたがつまりそういう事だろう。

 

このアニメがコンピューターに依存しないと何もできない、もしコンピューターが無くなったら抜けのようになってしまう現代人を皮肉った話なのだと思えば面白い。

神様になった日の10話が面白かった

ある程度は予想通りの展開だった。主人公の学校に転校してきたハッカー少年が、一方的に主人公に話しかけてストーリーを進めていたからだ。これまでの話で神様が主人公をラジコン扱いにしてストーリーを進めいたが、その神様の役目がハッカー少年に変わっただけである。

 

この10話は主人公が2学期が始まってから大学受験までの話を端折りながら進めている。「神様が拉致されて落ち込む主人公」「主人公はイザナミさんと同じ大学に受かりたい」「何故か主人公のグループに溶け込んでいるハッカー少年の不気味さ」の3つの要素を1つの話にぶち込んでいるのでまるで総集編を見ているのか?と思わんばかりの高速展開で混乱した。これまで主人公は神様と会話をするシーンばかりで人間関係の描写が薄いとしか言いようがなく、友達やラーメン屋の描写が足りていなかったので神様がいなくなった事で主人公の学校生活をそれなりに描いて主人公と他の登場人物の会話がそれなりに行われる10話が一番まともな話とも言えるかもしれない。

 

9話でハッカー少年は会社の中でCEOに逆い、黒服の男にボコボコにリンチされ、会社の外に追い出されたので「会社から用済み扱いでポイされた」と思っていたが10話だとまだ会社に所属している人間扱いになっている。何故だろう。会社の外に追い出す描写がいるか?意図が分からない。ハッカー少年が主人公にペラペラと設定を喋り倒すが「メモ帳にメモするのが必須」と言わんばかりの台詞量で視聴者に優しくないし、覚えられない。CEOがハッカー少年の親代わりなら手錠をされる意味は何だろうか。ハッカー少年は主人公にペラペラと設定を喋り倒した挙句「CEOから自分から事情を話す事を禁じられていた。こっちも危ない橋を渡ってるんだ」と言ってるが、なんでそういうルールなのか分からないし危ない橋ってなんだろう。ハッカー少年は何が許されて何が許されない人間なのか全く分からん。9~10話で一気に設定を放出されても何がなんだか。「1人で盛り上がって感情を爆発させている情緒不安定で何を考えているか分からないキャラクター」という印象は拭えない。

 

終盤で主人公はハッカー少年が言うががままそれに従うラジコンと化し、ハッカー少年の付き人である黒服の男が運転する車に乗せられ、神様の入院している謎の病院に行く。謎の病院に主人公が入れる理由はハッカー少年がハッキングで色々なんかしてカードキーまで作ったから・・・ってなんだそれ。むしろ神様よりハッカー少年の方が危険人物なのではなかろうか。謎の手袋で端末が無くとも電子機械を好き放題できるわけだから。

 

謎の病院に入院していた神様は頭を切り開かれて「何か」を脳から摘出されたのであうあうあーになっていたわけだが、そもそも神様の祖父は「何か」をどうやって神様の脳に埋め込んだんだろう。神様の命が危ない。コンピューターの博士が外科手術ができるのか?そしてまた頭を切り開いて「何か」を取り除くというのも神様の命が危ない。

 

あうあうあーになった神様を見た主人公は「連れて帰る」と即答するが、なんちゃら症候群は不治の病で神様の祖父はそれを何とかする為に脳内に「何か」を埋め込んだわけで、それを取ったらなんちゃら症候群の影響で何れ死ぬんじゃなかろうか。連れて帰る意味があるのか?介護するのか?大学受験の結果を控えているのに介護するのか?そもそも主人公はイザナミさんが好きで大学を受験したんじゃないのか?意味が分からない。5話以降もう主人公がイザナミさんが好きという設定はどっかに行ったようだが、イザナミさんとの恋愛から冷めた主人公の大学受験のモチベーションってどっから湧いてくるんだろう。それにイザナミさんは映像関係に興味があるから映像関係の大学に入るわけで、何も目的がない主人公が同じ学部に入ってどうすんだ?これもまた意味が分からない。

 

長い台詞で説明されればされるほどつじつまの合わない話になってきて頭がパンクした。あらすじを読むと主人公は11話でまたハッカー少年にサポートしてもらって謎の病院に不法侵入して神様に会とのこと。神様の言う通りに主人公が従って進めていた流れから、ハッカー少年の言う通りに話を進める流れになっているから結局は同じなわけで、10話になっても主人公は無力で自我がないのであった。

 

神様の脳から抜かれた世界が危険に陥る「何か」どこ行った?どうするんだ?どうでもいいのか?抜いたら抜いたで誰かが悪用するんじゃないのか?インターネットを悪用しデータを改ざんしまくるハッカー少年も同じベクトルで危ない人物なんじゃないのか?世界観と設定があやふやで誰が何を目的に何をしていて最終的にどうしたいのかという枠組みが全く見えてこず、これからの展開が予測できない状態で話を進めているので次回が楽しみですね。

神様になった日の9話が面白かった

俺の想像を超えた面白さだった。冒頭のハッカー少年が謎のおっさんに語った説明台詞で1~8話までの出来事が総括される。つまりその程度しか話が進んで無かったという事だ。ハッカー少年は3話で初登場しCEOから「なんとか教授について調べろ」と依頼を受たものの、今まで出番があったりなかったりで重要なのか重要でない人物なのか測りかねるキャラクターだったのだが、9話になってまるで主人公のように扱いを受けたのだった。主人公側と一回も会話をしていない外側のキャラの過去にいきなり尺を割かれる。一体何なんだこのアニメは・・・

 

ハッカー少年は幼い頃に両親から暴力を受けつつパソコンを弄って「何か」をしていたようだ。その「何か」は分からない。何だろう。そんな中で突然にも家が血だらけになって両親が死んだらしい。両親の死体は出てこない。何があったんだ。場面転換が飛び飛びで意味が分からない。両親が死んだハッカー少年をCEOが引き取ったらしいが、それからどうなったんだ?全く分からない。

 

ハッカー少年が両親から殴られて育って性格が歪んでしまったせいか、神様について調べ終えた事をCEOに話すと「もうお前の役目は終わった」的な事を言われたのでもっとこの件について何かしたいと思ったハッカー少年は「大人ってやつはー」とガンダムの主人公みたいな事を言い出しCEOの前で机をひっくり返し暴れ出す。何で。全く意味が分からないよ・・・ハッカー少年は情操が不安定で暴れ出すのでCEOの部下からボコボコにされた挙句、会社の外にポイされてしまった。ハッカー少年って3話で出た時は手錠をかけられたので犯罪者扱いじゃなかったのか。情報を握ってる人物を拘束せずにポイするなんて意図がよく分からない。

 

ハッカー少年のハッキングシーンが9話の見どころで、映画のサマーウォーズの作中内でのゲームようにネットの海を飛び交っていたので、9話でいきなりこんな別作品と化したようなシーンを見せられても困惑するしかない。イルカがなんちゃらだの金魚がなんちゃらだの実は教授のセーフティプログラムが・・・と次々とハッカー少年の独り言で説明されてもついていけません。ハッカー少年は金魚触ったら何もかも「何か」が分かったらしい。何だ?

 

話を主人公と神様に移すと、この2人は詰まる所何がやりたかったんだろう。主人公はイザナミさんと付き合いたい同じ大学に行きたいって自分の口から言ってたし、神様はその主人公の願いを叶えるために謎の能力でサポートするだけだった。5話でイザナミさんの件で一区切りついたのか、6話から主人公がイザナミさんが好きという設定がどうでもよくなって神様一辺倒になったわけだが、神様が何を目的に主人公の家にいるのか謎なので不気味だった。神様は主人公に8月1日から数えて30日後に世界が滅亡すると言うだけで他の自分についての情報は隠している。隠して何の意味があるのか謎だし、8~9話でいきなり神様は教授のすんごいハイテク技術が詰まった「何か」と言われても何なのって印象になるわけで、1~3話で設定を固めて話を進めないといけないのを放棄して8~9話という終盤になってからいきなり次々と設定を出されても意味が分からないし前半と噛み合わない部分が出てくるのだった。

 

神様が何か異質の力を持った人間の形をした「何か」という形で話が始まってる以上、1~3話で何らかの設定は小出ししていくべきだと思うし、主人公の母親が8話で神様について黙ってたのは「主人公が聞かなかったから話さなかった」というしょうもないものであった。神様は30日後に世界が滅びるから余興で主人公をラジコン扱いして楽しんでるだけで他は何も考えてないのか、自分の事は話す必要性がないから話さないのか意図が全く分からないので出番は多いのにキャラクター性が薄い。

 

ハッカー少年に話を戻すと、彼がハッキングしてなんか凄いデータをCEOに送ったのでCEOの上の何か凄い人が神様を危険視して神様を拉致する流れになってしまったが、この人たちについて何も説明がないので「何か」と表現するしかない。CEOの登場が2話ぶりでCEO自体も何を目的に動いてるのか謎である。何もかも謎で説明せず端折って神様が「謎の組織」に拉致される事になり、映画の撮影中に「謎の男たち」が押し寄せてきて主人公と神様が逃げる事になったが、どこに逃げるつもりだったのだろうか。神様は「どこにも逃げられん」と言ってるが警察ですら「謎の組織」の手中という事だろうか?意味が分からない。

 

神様が何で主人公の家に来たかと言えば、祖父の教え子が主人公の母親だったからというだけだし、神様がいう世界の終わりは「30日後の世界が予知できないから世界が終ると思い込んでいたが、自分が終るだけだった」といった形のしょうもないオチであった。主人公と神様が逃げている時に神様が「なんで貴様に守られるか分からん!」と言ってたが一ヵ月近くも同じ家に住んでいた人物に対して言う事だろうか?台詞の意図が分からん!主人公が神様の事を「好き」って言うのも分からん!主人公が言うには周りの人も神様の事を好きらしいので恋愛感情の「好き」ではないようだ。

 

元は言えばハッカー少年が何かをハッキングして情報を得て神様が拉致される事になったが、それを神様の「ハッカー少年は自分でやった事を反省している」といった台詞で片づけられてしまった。ハッカー少年は自責の念に駆られた上に会社からポイされたせいか、10話の予告を見ると夏休みが終わって2学期がはじまりハッカー少年が主人公と仲良くなるという話らしい。何それ・・・

 

「君の名は」と「天気の子」の終盤でヒロインが消滅して主人公が反社会的な行為でヒロインを助けて何かいい話で終わった気になるという展開だったが、神様になった日も拉致された神様を助ける為に主人公とハッカー少年が何か反社会的な行為をするんだろう。神様の何がどう凄いのか、神様は何を目的に行動しているのか描写不足のまま「神様は世界を混乱させる危険なもの」となったわけだが、突拍子もなく深刻な話になって行くのが視聴者置いてけぼりって感じでゾクゾクしますね。