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映画 君の名は の感想 (箇条書き)

前回の記事が長すぎたので短くするつもりが、結局長くなってしまった。

 

・テンポ重視で間延びせずに最後まで何となく観れた映画だった。その反面、辻褄が合わない所が多かったり説明せずにぶん投げて終わった部分があるので、観終わった後に感動は無かった。

 

・CMを見た印象は青春もの・恋愛ものかと思ったら、そういう要素は薄いと思った。入れ替わりネタは序盤の登場人物の説明と今後への伏線を張るものだったので、中盤からは入れ替わりが途絶えた主人公がヒロインを探しに旅に出て、人命救助をする話になるとは思わなかったので驚いた。

 

・挿入歌が何種類も本編中に流れたが俺はこの演出と歌は嫌いだった。

 

・主人公の瀧とヒロインの三葉が体が入れ替わっているという設定で、三葉の時間が瀧から見て3年前ズレているので、お互いに面と向かって話をするシーンは終盤までない。なので主人公とヒロインが絡むシーンが少ないという意味で、恋愛要素が薄いと思った。

 

・女子大生のお姉さんキャラ「奥寺先輩」が気になったので映画を観に行ったが、まさかこのキャラがここまで印象に残るキャラだとは思わなかった。瀧と三葉の体が入れ替わっているというストーリー上、瀧が接する女性は終盤までほぼ奥寺先輩しかいない。瀧は学校の女子生徒と話すシーンが一切なく、母親に相当するキャラすら出てこないので、瀧が三葉と再開するまでに奥寺先輩以外と話したのは中盤の旅の途中で立ち寄ったラーメン屋のおばちゃんぐらいしか思い出せない。

 

・瀧と三葉の絡みが薄いのに、瀧と奥寺先輩の絡みのシーンがやたら多いのが意外だった。瀧が奥寺先輩が好きというのは、瀧が奥寺先輩を見て赤面してる描写が多いので痛い程よく分かる反面、瀧が三葉と体が入れ替わってもおっぱいの膨らみが気になる程度で、一応ヒロインなのに一目惚れしないというのは年上好きという設定を強調してる感じで驚いた。3年前に高校生の三葉が瀧に会いに行くが、時間が3年ズレていて瀧は三葉の事を知らないので「お前誰だ」とそっけない態度を取るのは、美少女の三葉よりも大人のお姉さんである奥寺先輩が外見的に好きという印象がより強くなる。

 

・瀧が年上のお姉さんが好きで、女性関係がバイト先で片思いしているだけの奥寺先輩しかいないのは、彼女がいない男子というキャラ付けとしてより強く印象に残った。学園もので女友達すらいない設定は現実味がある反面、とても珍しい。これは瀧と三葉の体が入れ替わりがあってお互いの日常を交互に見せる作りだから可能な事なのかもしれない。

 

・瀧が三葉の体に入れ替わって日常を体験するシーンは多いが、三葉が瀧の体に入れ替わるシーンは以外と少ないのが気になった。瀧は母親がいない理由が不明で学園描写が殆どない事に比べると、三葉の方に尺の配分が行くのはストーリー上仕方のない事か。

 

・瀧と三葉が相思相愛になるのは突飛で説明不足な部分があるが、三葉の場合は瀧と体が入れ替わった時に奥寺先輩と仲良くなってデートを仕組んだ時、お節介を焼いている瀧が奥寺先輩という自分とは別の女性とくっつきそうになったから、喪失感から好きだと気づいた幼馴染系ヒロインでよくあるやつだと思うし、瀧の場合は三葉と入れ替わりが途絶えた事でこっちも喪失感から実は三葉が好きだったんじゃないかと心が変わったと思うので、お互い喪失感で個人的には説明が付くと思う。

 

・瀧と奥寺先輩の片思いからの失恋は丁寧に描くのに、瀧と三葉の絡みは薄いので「よくある話」とか「ウケる話を詰め込んでヒットした」というのは個人的には疑問に感じる。制作裏話の記事を見ると、奥寺先輩絡みの話は監督の趣味でスタッフは反対したらしい。主人公と大人の女性の絡みを推すのは一般ウケとはズレた感じで作家性とか独自性と言えるのではないか。

 

・男と女がくっつく離れるという話は、最後まで興味が湧くか?と言えば間延びしてかったるそうな印象を受けるので、今作では恋愛要素よりも「主人公がヒロインを探して助ける」という方向をメインにしたのは正解だったと思う。瀧が学校とバイトの繰り返しの日常から三葉を探す旅をするという形で離れて、最後の入れ替わり・タイムスリップをして彗星落下から街の人をどうやって逃がすかというストーリーになったのは映像として単純に面白かった。電車に乗って旅をする映像や、彗星が落下する映像は言葉に出来ないほど迫力があって美しい。ずっと日常の繰り返しで恋愛に発展する話だったら退屈だった。

 

・ストーリーが「主人公がヒロインを救う」事が主軸でテンポ重視だった以上、ヒロインを救ってしまった後に記憶の大半が飛んだというのは、この作品のダメな部分が出てしまったと思う。瀧はこれから先の進路はどうしたいのか、三葉は東京に行きたいと言ってただけで生き残ったら何をするのかという部分を掘り下げずに、彗星落下後から8年(瀧視点だと5年)の世界を描いてしまったので、話についていけなかった。説明はあまりせずに、見せたい映像だけ見せている感じなので想像に任せすぎてるとは思う。

 

・瀧が女性関係が一切なくて年上のお姉さんに片思いしてるから、彼女が未だに出来ていないというのは説得力があるが、三葉の方は男女関係なく仲良く話しかける感じだったので彼氏がいたり結婚してそうというイメージしか沸かない。瀧が三葉らしき人物に話しかけてこの作品は終わったが、記憶が飛んで女性に奥手のままだった瀧が気になる女性に話しかけたという一歩を踏み出したと考えるとハッピーエンドなんだろうか。記憶が殆ど飛んでしまったという前提なので、人の命を救うために頑張った瀧が報われてないという印象しかなく後味が悪い終わり方だったと思う。