牡丹と薔薇 8話

豊樹夫妻が長女の誕生に喜ぶ場面からのスタートです。

今回では、1話から幸せの階段を駆け上っていた富貴子が一気に地獄に落とされる様がこれでもかと描かれます。富貴子は腹を痛めて愛する子供の子を産み、豊樹をはじめ家族達から祝福されるが、翌日目が覚めたらその子供が鏡子盗まれている・・・天国のような幸せの絶頂から地獄に転がり落ちていきます。腹を痛めて産んだ子が盗まれる、これは母親にとってどれだけ辛いものでしょうか。俺からは想像もつきませんが、泣き叫ぶ富貴子から痛々しさが伝わってきます。

 

一方で、富貴子の子供を盗んだ鏡子は「豊樹夫妻に仕返しをしてやろう」とは描かれていません。前半にあたる部分で鏡子がいきなり看護婦の制服を着て、赤子を盗むのは突飛な行動で驚きましたが、鏡子は無我夢中でやってしまったという事なのでしょうか。豊樹夫妻にざまあみろと独り言を言うわけでもなく、赤子をアパートまで連れてきてしまった事実だけが残り、泣き声に悩まされます。鏡子は1話から豊樹の赤ん坊が欲しいと言っていましたが、実際に盗んだ赤ん坊の世話をするとなると精一杯で他の事を考える暇もないのは現実味があって面白い描写ですね。良心の呵責に苛まされたのか、神社に赤子を捨てようとしますが、野良犬が来たので結局は置き去りにできなかったシーンは赤子を盗んだ事から逃げる事はできないという事なのかもしれません。

 

豊樹夫妻に恨みを持つ人間は鏡子しかいませんので、小料理屋のママをはじめ野島家の人間から赤子を盗んだ事を疑われます。そして鏡子のアパートに刑事が事情聴取に来た所で次回です。

 

次回予告では、富貴子が鏡子のアパートに行きますが、鏡子から「今まであなたのやってきたことを考えて見なさいよ」と激昂されます。豊樹夫妻が鏡子にやった事は酷いものですが、だからといって子供を盗んでいいわけもなく、自己正当化に見えてこれもまた痛々しいものがありますね。