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牡丹と薔薇 7話

野島家の駐車場で自殺未遂をした鏡子が、救急車で運ばれる所からのスタートです。

野島社長は救命医に事情を聞かれても他人のフリをし、豊樹にもそれを誘導して知らんふりをさせます。社長は鏡子の遺書をちゃっかり懐に忍ばせているのが抜け目ないですね。その遺書を豊樹に渡し燃やすように言いますが結局は燃やさず、豊樹が寝てる間に富貴子に遺書を取られてしまいます。遺書の内容は鏡子からの豊樹に対する一方的な思いから自殺するものだったので、それを読んだ富貴子は鏡子に憎悪を募らせ彼女が入院してる病院に行きます。

このストーリーが悪い方向へ向かっていく負の連鎖に中島御大の脚本の凄みを感じますね。ちょっとした事から連想ゲーム的に話が進んで行き、その結果大惨事になる。一見穏やかそうに見える富貴子ですら、憎悪が燃え上ったら周辺の人に「鏡子に死ねばよかったのに」と言い出し、入院して弱ってる本人の前で今までの恨み辛みをぶちまける。嫉妬、憎悪、歪んだ愛情で人間が別人のように変わってしまうのは恐ろしいものがあり、それがたった1話の中で起きてしまう。その心の移り変わりをかも自然であるかのように視聴者にすんなりと見せてしまうドラマ制作陣の手腕にただただ関心するしかないです。

 

幸せいっぱいで結婚し子供に恵まれた豊樹夫妻。一方で豊樹に捨てられ、野島家とその関係者から邪魔者扱いで罵詈雑言、精神的に追い詰められ自殺未遂するもののその落とし前をまたつけさせられる鏡子。この三角関係からの対比は1話から提示されていますが、7話で頂点に達したと言っていいでしょう。

次回予告では豊樹夫妻の子供が盗まれてしまう事が提示されます。富貴子は建設会社の娘で金持ちで、何不自由なく暮らし、仕事が出来る豊樹と結婚してその男の子供を産み、女としてこれ以上ない幸せを手にするような過程を1話から丁寧に描かれましたが、ここで腹を痛めて産んだ子供を奪われて一気に地獄に落とされます。この7話分の話は富貴子を一気にどん底に落とすための前フリだったかと思うと、中島御大のストーリー構成の凄まじさに脱帽です。