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牡丹と薔薇 6話

中島丈博 昼ドラ 牡丹と薔薇

今回は豊樹を諦めきれない鏡子の執念が前回より強く描かれました。結婚式場で式の段取りを進める富貴子の前に鏡子が現れて、豊樹とは未練があり別れたくない事をこれでもかと鏡子の口から語られます。振り返ってみると、1話から豊樹と鏡子の関係が出来上がっており、2人の関係に感情移入できない状態で豊樹が浮気するような形で話が進んでいます。

 

このタイミングで鏡子が富貴子に豊樹との馴れ初めや8年間の同棲生活を語る事で、1話の段階で2人の関係を順序を追って説明されるよりも、豊樹と富貴子の結婚はもう決まってるのに、豊樹を諦めきれない未練がましい鏡子というストーリー展開の上で説明されることにより、2人の関係はより強調されていってるなと感じました。

 

鏡子はこれだけ豊樹に尽くして来たのにボロ雑巾のように捨てられてしまい、豊樹の婚約者である富貴子に「豊樹を返してくれ」と富貴子にお願いするシーンは痛々しいものがあります。富貴子は2人の関係を知らないので、鏡子に何を言われても実感が沸きません。視聴者も2人の関係をあまり知らないので富貴子の反応に納得してしまう面もありますね。

 

幸せになっていく豊樹と富貴子。その裏で捨てられ何も手に付かない鏡子。この2つの視点を交互に流すようなドラマの作り方は、鏡子に自然と感情移入してしまいますね。妊娠を偽装しても豊樹を繋ぎ止められず、富貴子に豊樹と別れるようにお願いしても聞き入れられず、四面楚歌になった鏡子はとうとう自殺に走ってしまう・・・という流れは順序良く進み過ぎており、見てる方もすんなり受け入れてしまう脚本の巧みさには感心するしかないです。

 

豊樹の誕生日のパーティーも印象に残る場面です。豊樹は富貴子との結婚が決まり、子供も生まれる予定でアロマの設計部長に任命されるという人生の絶頂にいるかのように嬉しそうな姿が描かれます。そのような野島家を窓の外から見つめる、ボロ雑巾のように捨てられた鏡子。これは鏡子があまりにもかわいそうで胸が締め付けられます。

豊樹はあれだけ会社の同僚と仲がよかったのに、二言返事であっさりアロマ建設に乗り換えるのは突飛でやはり人間味が感じられません。

 

追いつめられた鏡子はとうとう手首を切って自殺に走ります。別れた男が婿養子になる家の前で自殺するというのはとても、当てつけのように感じられ捨てられた女の恐ろしさというのを見せつけられます。遺書も用意してあるので豊樹にとっては言い逃れできず、たまったものではありません。

 

手首を切った鏡子が野島家の運転手に発見された場面で、事情を聞こうとする救命医との応対で、野島社長は鏡子の事を密偵に調べさせて知っているはずなのに関わりたくないとシラを切りとおそうとします。豊樹は思わず名前を出しそうになってしまい、野島社長から「余計な事を」と言わんばかりに横目で見られる。ここも衝撃的な場面でした。

 

次回予告では野島一家は鏡子に迷惑をかけられたせいか「あの女死ねばいい」と口走ります。育ちのいいはずの富貴子がそう言うのだから、人間の二面性が浮き彫りになってて強烈です。

次は結婚して子供が生まれるまでを提示されているので、展開が早すぎてついていこうとするだけでも精一杯ですね。